たくまつの雑記

マイコン使ったりCADやったり、その他何かやったこと、経験したこと等を忘備録的に書くためのブログ...のつもり。

高専の寮を退寮したので色々振り返ってみる

本記事の目的

 私は中学校卒業後に某高専に進学、入寮し、長期休業や土日等を除いて、本科5年間と専攻科2年間の約7年間を寮で過ごしてきました。退寮するにあたって、良い機会なのでどんな寮だったのかや今まで感じてきたこと等を記事のタイトル通り色々と振り返りながらまとめてみようと思います。
 これから高専の寮に入る人や、現役の寮生にとって、来年度以降に寮に残るかどうかの参考になるようなことなんかも含めて書いていけたらいいなと考えています。
 あくまで「私が経験し感じてきたこと」になりますので、全ての寮や学生に当てはまることではないことをご理解ください。その辺の違いなんかは適当に流すか、そういうとこもあるのねといった程度に楽しんでいただければ…。それでは主観たっぷりで書き殴っていこうと思います。拙い文章ですが、どうぞよろしくお願いします。

 

追記:思うまま書き進めていたら17,000文字のクソ長記事になってしまいました。読みにくくてすいません...。

 

 

 

退寮の理由

 単純に卒業するからです。減点が積み重なって追い出されたとか、我慢できなくなって出たとかではないです。

 

寮のメリットとデメリット

 まずは私が思う寮のメリットデメリットをざっくりと挙げます。ほかにもこんなのあると思うって方は是非コメントください。

 

寮のメリット

  • 通学時間が徒歩3分!!(正直これが一番デカい)
  • 家賃光熱費水道代等が実質ほぼかからない(食費は別)
  • 周りに友人が常にいる(駄弁って楽しい&テスト期間に強い&相互扶助)
  • 就職進学活動のネタになる(私は寮生活を通して培った○○な能力を活かし...)
  • 点呼や規則の強制力により毎朝ちゃんと起きられる&登校できる
  • 家事は自室の掃除と洗濯をする程度なので親元を離れると言っても正直かなり楽

寮のデメリット

  • 門限に縛られる(自由な身動きが取りにくい)
  • ド田舎なので外で遊べる所やバイト先等の選択肢が少ない(高専による)
  • 持ち込み物の制限や指導、規則が無駄に厳しい場合がある(寮による)
  • 食事の美味さが不安定すぎる、平均するとイマイチ(業者やメニューによる)
  • パーソナルスペースが少ない or 無い(部屋による)
  • 風呂トイレ洗濯機冷蔵庫等が共用かつボロいことがある(潔癖症× &トラブルの元)
  • wifiルーターがクソ雑魚&学校の回線なのでプロキシ有&スマホは接続禁止(寮による)
  • 何らかの当番、行事等に拘束されることがある(清掃や防災訓練、講演会等)
  • コミュ障または人間関係で荒れるとしんどいらしい(私は経験が無いのでチョットワカラナイ)
  • 保護者のサイン&押印が必要な書類や実家に置き忘れたスーツ等々...距離の問題で色々と面倒くさいことがある

どちらとも言えないこと

  • 親元を離れられる
  • テレビを見る機会が減り、見る習慣が無くなる(食堂で軽く見る程度)

 こんな感じです。この後は寮について自分の経験、感想をひたすら語ります。他の人や寮にも同じことが言えるわけではありませんし非常に長いので、あまり興味が無い人はここまででブラウザバックを推奨します。

 

 やはりメリットとして一番大きいのが通学時間と金銭面です。強すぎる...勝てるわけがない。地元民は別にいいかと思いますが、遠方から来ている人ほどやはり恩恵が大きいですね。

私は実家から通おうとすると片道2時間かかってしまうので、大変ありがたいです。満員列車に揉まれ毎日往復4時間を浪費し疲弊してしまうのはあまりにも辛い...。4時間もあれば2時間ゆっくりベッドで寝てもう2時間を勉強や研究、部活に費やせます。(部活動においては特に、退寮すると通学と部活の両立(?)が辛くなるため、高確率で引退または幽霊化する傾向があります)

通学中に単語を覚えたり少し仮眠したりできると言えばできますが、質の問題ですね。寮ならそんな通学中のストレスもありませんし、帰宅する時もド田舎特有の1~2時間に1本しかない公共交通機関の時間を気にせず、好きなタイミングで3分で自室へ帰ることができます。専攻科では車通学が可能ですが、睡眠不足や疲れからか高級車に追突するリスクもありません。忘れ物をしたとしても最悪取りに帰ればいいしで至れり尽くせりです。

 

 正直、上2つのメリットのためだけに寮にいたと言っても過言ではないかもしれないです。下宿という選択肢もありましたが、やはりそれなりにお金がかかりますし、バイトしながら家事全般をこなしつつの1人暮らし&通学というのは色々と疎かになりそうだったのでやめました。友人とシェアハウスをしている同期がいましたが、あれは上手くやれればかなりいい手だと思いました。

自分は寮というある程度の生活環境が整った中でそこそこ楽に暮らしつつ、勉学や研究、部活等に力を注げるなら有り余るデメリットに目を瞑ってもいいと判断しました。要はとにかく時間と楽な生活が欲しかったのかもしれません。

 

人間関係と部屋

 人間関係については、長く暮らすほど気心知れた友人だけが残っていき、特に後半の寮生活3~4年間くらいはかなり快適でそれなりに楽しかったです。

最初は鬱陶しいのもいましたし、色々なタイプの人との付き合い方に慣れるまではしんどさも当然ありました。何せ初めてで慣れない寮の厳しい規則や指導のストレスに晒されながら、未熟な少年達がほぼ初対面の状態から狭い部屋で共に協力して生活するという状態なので、そりゃしんどいわって感じです。

 後述する指導寮生が当時少し怖かったくらいで、特に「コイツは絶対許せねぇ」とか「殺したいくらい嫌い」みたいな人は居ませんでした。キャラの濃い人や技術に明るい人もちょくちょくいます。話してて面白いですしとても勉強になります。

寮内で頭のおかしい馬鹿に粘着されてた子はちょっと辛そうでした。残念ながら高専にもそういうのが稀にいます。粘着してた馬鹿は2年生あたりで成績不振と素行不良でドロップアウトしてました。

 一部のフロアを除いてほとんどの部屋は相部屋で、部屋にもよりますが大抵は狭いです。ベッドと机とロッカーが最初から並んでいて、その時点で自由なスペースはかなり限られている状態です。立地や構造的に梅雨の時期は湿気が溜まりやすいフロアがあったり、虫がよく入ってくるところもあります

 私は相部屋の面子にはかなり恵まれていた方だと思います。仲もそこそこよかった...はず! 稀に揉めて部屋替えを希望する人もいますね。

4年、5年の時は運よく少し広めの相部屋に住むことができ、専攻科の2年間は個室(10畳くらい?)で悠々自適でした。1人だとスペースが余りすぎて少し殺風景なくらいだったので、後輩の荷物を置かせてあげたりしてました。

 ちなみに何らかの寮委員になると、見返りに自分で部屋を選べるシステムでした。委員同士で部屋を合わせて相部屋にしてしまったり、フロアによっては1人部屋を選んだりもできたのかな?

 

食生活について

 寮の食事は寮食堂があるので基本そこで済ませます。食堂を経営する業者さんと寮生が契約して毎日3食の食事提供サービスを受けます。強制です。土日に帰省する際はカードに線を引けばOK。ただし3食以上連続した欠食が必要。

学校のある平日は勝手にカードに線を引いてもダメです。朝食いらないとかも認められません。外泊する等の理由があれば3日前に届け出を出して食事を止められます。インフルで実家に強制送還等の場合は即日食事が止められます。

 火事やトラブルの原因にもなるので寮生が自由に使えるコンロはありません。シンクもないです。というわけで自炊は基本できません。留学生用の調理室はありますが日本人寮生は使用できません。電子レンジは使えるので、パンや冷食を温めたりするだけでなく、耐熱容器とパスタや調味料を持ちこんで夜食を作るとか色々と工夫はできます。

ポットや食器類は持ち込めるので、部屋でインスタント麺やスープを作ったりお茶やコーヒーを淹れたりは普通にできます。匂いのきついソース焼きそば等で意図的に飯テロを起こすのは控えましょう。食べたくなる...。ピザを注文して裏門まで取りに行く人もいますね。

バリ〇タみたいなコーヒーメーカーを直接持ち込んでいる寮生は見たことないです。ポットもいけるし大丈夫か...? コーヒー好きな寮生は豆とミル、コーヒーフィルターその他を持ち込んで自分で淹れてましたね。たまに淹れてくれたのを飲みにいったりしてました。美味しい。

 

 寮食堂のご飯の評価は、「あまり美味しくはない~普通」といった感じです。大鍋で煮込む類のもの等の一部のメニューは結構美味しかったりします。この美味しさの評価については完全に私個人の主観になります。もう長いこといるので舌も慣れてしまいました。人によってはまあまあ普通だったり、くそマズだったりもするでしょう。少なくとも毎回毎回いつもおいしい!ということはないです…。

 使ってる食材が体にいいかどうかと言われたら、まあ悪い方なんだろうなぁとは思います。どうしても加工肉や油モノが多くなるのは仕方がないですし、野菜類の質も微妙ですがそこは割り切ります。普段実家で食べないようなものを食べられるというメリット?が一応あると言えばあります。

食中毒のリスクや責任の所在云々で食堂への食べ物の持ち込みは数年前に禁止になりました。お茶漬けみたいな既製品くらいは持ち込ませてくれてもいいのに...。
 カロリーに関しては育ち盛りの男児を基準にしている感じなので、あまり運動しないタイプの人が毎食ガッツリ食べていると徐々に太れます。米のおかわりは基本自由、それ以外もメニューによってはok、朝夕は汁物もいけます。

 朝昼晩3食合わせて約1000円程度+α(設備稼働費的なやつ)が食堂を運営する業者さんに毎月引き落とされます。私は土日を実家で過ごすことが多かったですが、それでだいたい月に23000円くらいだったかと。まあこの値段で利益を出しつつなら提供される食事のクオリティもこんなもんかな?といった感想です。病気等で長期間実家に帰っていたりしても+αの部分は普通に引き落とされます。
2年に1回、業者の入れ替え審査会みたいなものがあります。一部の教職員と寮役員、希望する一般寮生が試食会に参加し、費用等の観点も含めて選びます。責任重大ですね。

 

 ここで個人的な食べ物の恨みを書いておくと、段ボールみたいなカチカチでペラペラな鮭の切り身は絶対に許されないし、低温で卵を流し入れてグチャグチャにしやがった親子丼には殺意が湧いたことがあります。前者はカネの問題です。どうにもできない。後者はそうではなく...正直ゲロかよと思いました。ちなみにカツ丼でも似たことが稀に起こります。まあミスは誰にでもありますし...触感はヤバいですが食べられないことはないです。お任せして作っていただいている以上はちゃんと食べます。いつも本当にありがとうございました。あ、朝食の温玉は大好きですよ。

でもな...カレーの時に絶対にライスの真上からルーをかけないと気が済まないオッチャン、オメーはダメだ!!

 

お風呂について

 お風呂は大きく分けて2つありました。低学年浴場(1~2年生)と高学年浴場(3~5年生)です。専攻科生と留学生はシャワールームが使えます。事情がある場合や特定の時間帯には1~5年生もシャワールームが使えます。あと8時以降は高学年も低学年浴場を使えます。

 

 浴場に行くには屋外用のスリッパを履いて一度外に出る必要があります。冬場は寒いのでちょっとつらい。構成としては下駄箱と脱衣スペースと浴室から成ります。脱衣スペースにはプラスチック製のマットが敷かれていますが、大人数で使用するため開場からしばらくするとビチャビチャになります。正直きついです。お世辞にも衛生的とは言えないので、浴場を出たら外にある水道で屋外用のスリッパごと足を洗っていました。その後、屋内用のスリッパに履き替えるタイミングで足を綺麗に拭いてましたね。ちなみにマットは毎晩、風呂掃除のタイミングで洗って干して交換されます。

低学年側の浴室はまだ比較的新しいので綺麗でしたが、高学年の方は年季が入ってボロかったです。たまに虫が入ってきます。

専攻科生になってからは毎日シャワールームを使っていました。外に出なくていいですし、不衛生な脱衣場からもおさらばでした。排水溝に髪の毛が溜まったら自分たちで捨てたり、適当なタイミングで掃除してました。

 

共用洗濯機と冷蔵庫の闘い

 各フロアに洗濯機が数台、各館に1つ冷蔵庫があります。もちろん共用です。ちなみに指導寮生は自室に冷蔵庫があります。いいなぁ。 

 寮生の数に対して洗濯機が足りないフロアでは、お風呂の時間帯になると洗濯機が込み合います。館によっては洗濯機の数が増強されていたりしますが...。

待ちきれない寮生が脱水中の洗濯機を止めて中身を出し、自分の洗濯物を洗濯しだすなんてことも過去にありましたっけ。長年使われてきた洗濯機はボロいので、汚れが目立ったり、ネットを使わずに洗濯するともれなく毛玉がついてきたりします。なので皆新しそうな洗濯機を使おうとしますね。洗濯機や乾燥機は大掃除や何らかの際に有志が綺麗に掃除します。私もやったことがありますが中々手間がかかりますね。

 

 問題は冷蔵庫です。最近はあまり聞きませんが、ちょくちょく盗難が起こります。アイスとかジュース類です。利用状況が悪くなると一時利用禁止になったりします。窃盗はもちろん退寮です。バレればですが。

私はあまり冷蔵庫を使っていなかったのでほぼ無関係でしたね...。少し話は逸れますが、自室にクーラーボックスを持ち込み、製氷機の氷を貰って冷蔵庫の代わりにする強者もいました。あと指導寮生と友達になって部屋の冷蔵庫を使わせてもらうなんて抜け道もありました。

 冷蔵庫は各館に1つしかないので、冷蔵庫のあるフロアにわざわざ行かなくてはいけないのが面倒くさかったです。なので私が冷蔵庫を使っていたのは冷蔵庫のあるフロアに住んでいた時くらいでした。夏場は中身がいっぱいになりがちで、スペースの取り合いになることも。冷えた飲み物を毎日飲まないと気が済まない人は大変そうですね。中に入れるものにはちゃんと名前を書きましょう。

 

PCとネット環境

 この後の項でも触れますが、1年生の後期からはノートパソコンが持ち込めます。レポートや論文その他をWordやTexで書くことが徐々に増えますし、CADやプログラミングもできます。あと発表スライドを作ったりとか。もちろんネット環境は必要で、寮のWifiもあります。まあ大半の寮生のPC使用時間の多くはネットサーフィンや娯楽目的だったりすると思いますが...とにかく必要なんです。無いと困る。

寮のWifiルーターはフロアに1~2個とかそんな感じで、何人もの寮生が同時に接続したり、そもそも部屋が端の方で物理的に距離があったりするとめちゃくちゃ重いです。その辺りの事情はフロアや部屋によります。

 

 ネット回線は学校のものを寮に繋げており、学籍番号による認証を経てプロキシサーバに接続しなければいけない仕様。ニ〇ニ〇動画やゲーム系のような娯楽サイトにはアクセス制限がかかる場合があります。YouTubeTwitterは大丈夫。スマホの通信量を犠牲にすればデザリングという手も。

しかしここは高専VPNを使って学校回線で自由にサイトを閲覧する者もいました。昨年あたりに認証システムが変わった頃からは筑波のアレは使えなくなったんでしたっけ?その辺はちょっと詳しくないのであまり書けません。ごめんなさい。

セキュリティ的な観点からはよくないはず...なのですが、ノートPC使用にあたっての決まりごとにはその手の制限事項の記述は特に無いです。書くとそういう手段があると知られてしまうからなんでしょうか。チョットワカラナイ。

 ちなみにポケットWifiは昨年から何かしらの事情が無い限り基本的に持ち込んではいけない規則になりました。ぐぬぬ。たまに変な名前のが飛んでいるのを見かけましたが誰のだったんだろう。LAN姉ちゃんとか。

あと最近になって追加のモニターが持ち込みが可能になりました。デュアルディスプレイでサクサク作業したい人生だった。

 

寮の規則や仕組み等について色々

学寮について

 弊高専の寮は「学寮」ということになっています。寄宿寮とは違い、あくまで学ぶための寮なので遊戯物の類は持ち込み禁止です。カード類とか、ゲーム機ですね。バレてしまうと大幅減点もしくは退寮処分になります。

とは言えスマホは連絡手段として認められており、1年生の後期からはノートパソコンの持ち込みも許可されています。よって普通にスマホやノーパソで遊ぶ寮生はいます。まあ適度になら息抜きにもなりますし実質黙認されています。稀にある教職員の見回りなどで偶然現場を押さえられたらどうなるかは知りませんが。

 

減点制

 弊寮では寮生の管理に減点制を採用しており、規則に違反すると持ち点が減っていき、特定の点数で親に通知&軽い面談が行われたり、特定の点数で年度末退寮になったり、次シーズンの入寮選考に影響したりします。

また、悪質な行為には故意減点という特殊な減点が課され、高学年では故意減点1発で退寮させられます。寮主催の講演会の予定を忘れたり、部屋替え抽選に名前を書き忘れる等のウッカリな行為も行事不参加という名の故意減点に該当するため、油断なりません。そういうとこ融通が利かなくて無駄に厳しいと思います。

 

寮とおかね

 「学寮」として様々な教育に関わる施策を打ち出しても、設備改修等の費用をお上から引き出すのはなかなか大変なんだとか。予算を引き出すための妙な学習環境の提案が通った結果、寮の一部が改築で変な間取りになり、広めの廊下に机を並べてフロア暖房/冷房を効かせて一緒に勉強するような形になりました。

当該フロアに住んでいる寮生達はそれなりに順応しているようです。住んでみれば意外と快適なのかもしれない…?できたてホヤホヤの荷物搬入前の頃に見学した時は、さながら独房のように見えてドン引きしたものですが、生活感があるとそうでもなげ...? まあ他の部屋も生活感が無ければ似たようなものですね。とりあえず改築でとっても綺麗になりました。めでたし。


指導寮生 (役員寮生)

 指導寮生または役員寮生とは、各館の各階ごとの寮生をまとめ、指導する模範となる寮生を指します。特に低学年の指導寮生は色々と大変そう。昔はナメられないようにするためなのか、妙に偉そう且つ厳つい感じの人がなるイメージでしたが、今はそれほどでもない感じ。爽やかな子や優しそうな子も多いです。(単に私が歳を取ったから見え方が変わっただけかもしれない)
私が本科1年の時はなかなかに理不尽かつ恐喝じみた指導(笑)をされたものですが、ここ数年はずいぶんマイルドになったようです。頭のおかしい指導が動画で流出したこともありましたっけ。それも影響してそう。

 低学年が何か「やらかし」をすると、その学年全員が招集され、長時間の体育座りに起因するケツの痛みに耐えながら「ご指導」いただいたり、ついでに喉が枯れんばかりの「挨拶練習」をさせられたりしていました。普通に考えて近所迷惑だと思いますし、古い悪しき慣習が残っていた感じです。最初の1週間はほぼ毎晩でした。

何が理不尽なのかと言うと「連帯責任」の名のもとに無関係な寮生もまとめて集められ、様々な「とばっちり」を受けるからです。

スゥゥゥ…こんばんぅわあああああぁっぁぁぁぁっ!!!!(うるさい)

ただでさえケツが痛いのに、女子寮生は男子寮生(役員含む)が帰った後も残らされていました。おそらく女子指導寮生たちに上乗せでご指導を賜っていたんでしょう。かわいそうでした。

 

 ここ数年の役員や指導寮生からは、このような過去の理不尽な指導や、低学年ばかりに負担を強いる制度をなし崩し的に継続することなく、様々なルールの改良も含めてより良い寮にしようという気概を感じますし、実際そうなりつつあります。ここは強調しておきたい。ズレた厳しさや恫喝じみた言いこみは指導とは言えないでしょう。

例えば来年からは共用施設の利用や点呼等の時間に関するルールが大きく変わり、実態に即したものになることで低学年がより生活しやすい時間割になります。また、当番制度についても低学年の負担を減らし、高学年を含む寮生全体に分散させていっています。その辺の変化については後で少しづつ書いていこうと思います。
 ちなみに指導絡みで色々と面白い思い出もあったので、今でもたまに同期や後輩と話のネタにすることがあります。あれはあれで今となっては笑い話ですが、当時はしんどかったです。

 

~ここから少し思い出話~

 入学式が終わってから一番最初に新入寮生を待ち構えているのが「挨拶練習」もとい「言いこみ集会」でした。荷物搬入の時や入寮案内の時はめちゃくちゃ良い人そうだった指導寮生達が突如として豹変し怒鳴り声をあげ机を蹴り、地は裂け海は割れ人類は滅亡します。恐怖のあまり泣いてる子もいましたね。この日の挨拶指導のために、指導寮生たちは怖そうな顔の練習をしています。実は始まる前に自分の顔をペチペチ叩いて気合を入れたりしてます。かわいい。(昔の話です)

 人を従わせるには恐怖が最も手っ取り早かったんでしょうか。中学を卒業したてで1か月前まで最高学年だった新入生たちは調子に乗っているので、まずは一度締めてやらねば的なことを言われたような記憶があります。まあ実際のところ、寮の入り口付近で座り込んで談笑しながら携帯を弄り、教員や先輩達が横を通ったり挨拶をしても、相手が知らない人だと会釈の一つもロクにできないような新入生は多かったです。残念ながらそんなもんです...と言うか別に普通かもしれません。だって知らない人だし。お行儀は確かに悪かったですね。

 「挨拶しましょうね~時間守りましょうね~」なんて優しく言ったところで一部の層には効果は今ひとつですし、血気盛んな年頃の学生数百人を何もせず放っておくと動物園と化すのは目に見えています。そんな学生たち全員を、時間を守って行動させ、外に出しても恥ずかしくない程度まで(?)まとめて教育していくわけです。やや強引な手段や厳しい規則になるのも仕方なくはない...?という側面も一応あるにはあります。もう少しやり方があっただろとか、そこまで無駄に厳しくする必要あるか?とは何度も思いましたが。

あ、今はこれ「言いこみ集会」じゃなくて「挨拶セミナー」って呼びますし、指導も柔らかくなりましたよ。毎年春にうるさく響き渡っていた挨拶の声も、当時よりずいぶん小さくなりました。 

 

日課と時間厳守の掟

 寮の日課としては、朝と夜に点呼があり、自習時間と食堂やお風呂の利用時間が決まっています(低学年は消灯時間も)。寮で大勢と共に生活していく上で時間が守れないのは致命的です。数百人規模の学生の命を預かる寮としては、特に点呼の際に身勝手な理由で不在というのは非常に困ります。また、大人数でお風呂は共用なので時間を守れなければ後が押してしまいスムーズな利用の妨げになったり清掃が遅れます。食堂の利用時間を守れなければ業者さんが困ります(食堂のオバチャンにも叱られます…)。

あと夜点呼の後は基本的に寮の敷地外への外出はできません。

 

 低学年の間は特にしっかりと自習時間が定められており、指導寮生による見回りもあります。携帯を弄ってサボってたりあまりにやかましく駄弁っていると上記の「やらかし」に該当します。私が低学年の頃の見回り役の指導寮生達は、ノックからコンマ5秒以内に有無を言わさず突然入ってくるガサ入れのプロでした。(コンコンガチャッ ベンキョウシテマスカー?)

仲がいいとちょっと見逃してもらえたり、ゆっくり入ってきたりします。なんだか看守と囚人みたいな感覚を味わえました。なお鍵を閉めてはいけません。(謎)

今はどうなんでしょうかね。他の部屋に指導寮生が入るとアイサツが聞こえるので、その階の寮生は皆一斉に静かになり警戒態勢に入ったものです。

 高学年にも自習のコアタイム的なものは1時間ほど存在しますが、見回り等はほとんどなく寮生の自主性に任せられています。(稀に熱心な宿直の教員が見回ることはあった)
高学年はレポートの量も多くなりますし内容も一応それなりに高度になるので、自主的に机に向かえないような人は勝手に落ちぶれていきます。卒業するまでに大体クラスの1~2割程度は消えますし、高専や学科によってはもっと消えます。こわ。

 

 低学年にはきっちりと消灯時間があります。これについては成長期における睡眠の重要性を考慮しているという面もあるかと思います。消灯時間が決められた中で日々のタスクをきっちりと処理して、ちゃんと布団で寝るという癖がある程度つきます。

消灯後の指導寮生による見回りもあり、夜更かしがバレると「無消」という減点対象になり、さらに集会で怒られます。ちなみに自室以外で泊まるのは無断外泊扱いで故意減点。これは夏休みの残量期間によくあります。

しかし、高学年になり消灯時間が無くなった途端、ダラダラと課題や日課を先延ばしにするばかりか消灯時間後に騒ぐようなサルになる馬鹿も残念ながらいます。せめて騒ぐなよ...。

 

 朝はちゃんと登校時間が決まっており、朝9時過ぎになると見回りがきます。部屋の鍵がちゃんと閉まっているか、扇風機などの家電を付けっぱなしにしていないか、そもそもちゃんと登校しているかチェックされます。この時点で部屋にいるともちろん減点です。高学年が2度寝して寝坊とかよくあります。講義が無くても関係ありません。だらだらしてないで図書館でも行って勉強しろって感じですかね。嫌でも朝起きられます

 3コマ目の講義が終わる14:30頃に再び開寮です。最近になって13:00開寮になりました。忘れ物をした時は教職員から寮事務に電話を入れてもらえば鍵を開けてくれます。

 

 そんなこんなで、時間を守ることに関しては低学年の間に特に厳しく指導されましたし、減点や反省文なんかもありました。こうして時間をちゃんと守れるプロ寮生が育っていきます。たぶん。

 

週末掃除・週番・その他の当番

週末掃除

 毎週土曜日の朝は「週末掃除」があります。全館の中から特定のフロアに住む寮生が週替わりで集まって食堂や風呂をガッツリ掃除します。遅れたり参加しなければ減点。事前に断っておけば代役を誰かに頼んだりもできます。どこを掃除するかはある程度自分で選べます。

ただし、このためだけに金曜夜を寮で過ごす必要があるため、週末を実家で謳歌しようと計画していたのに今週は週末掃除が当たっていた...なんてこともあります。金曜日放課後にやらせてほしい感もありますが、夕方では食堂の営業時間と被ってしまう等の問題もあるからかずっと土曜日です。3連休前なんかは金曜日にさせてくれることもあったりするのですが、その基準がいまいち分からない。

 以前は低学年の住むフロアだけでこの週末掃除は回っていたので、月1の頻度でやらされていました。食堂は高学年も使うのになぁ...とか思ってましたね。今は全フロアで週替わりになっているので、当たる頻度はだいぶ減りました。

 

週番

  弊寮では各館の各階ごとに、そのフロアに住む寮生が1~2人ずつ1週間ごとに持ち回りで「週番」という当番をこなします。週番は低学年と高学年で違う部分もあるので別けて書こうと思います。

 

共通する部分

  • 週番日誌を書く。日付や天気、週番としてその日やったことや感じた事などを書いて提出
  • 決まった曜日の夜にゴミの分別をして、ゴミ捨て場まで持っていく
  • 廊下の蛍光灯が切れているのを見つけたら交換したり、トイレのスリッパを並べる等する

 

低学年

  • 「週番交代式」がある (先週の週番との交代を行う会のこと)
  • 「起床と消灯の放送」、「10分程度の朝掃除」が曜日ごとに割り当てられる

これらを忘れるとペナルティでもう1週間週番です。また、日誌に誤字や書き忘れがあっても2回でペナルティになります。無駄に厳しい。

あと低学年の週番は週末にも放送の仕事があったので、週末に実家に帰省できませんでした。今はちょっと変わっているかもしれません。

「絶対にかかってくることがない謎の電話番」みたいなこともやらされていたのですが、今もあるのかちょっと分からないので書きませんでした。

 

高学年

 週番交代式や放送等の仕事は無く、共通項にある内容だけになります。週末も普通に帰れます。日誌がちゃんと書けていなかったり分別をしに行ってなければペナルティでもう1週ですね。慣れてきているので、日誌に書く内容も堅苦しくなく、面白いものになります。週番が回ってくると、まず前回、前々回の週番の日誌を読むのが楽しみでした。

 

風呂当番

 弊寮は低学年と高学年で浴場が分かれています。それぞれに風呂当番が毎日3部屋ずつ程度回っていきます。忘れると減点。

浴室の床をマジックリンとブラシで擦ったり、脱衣場のマットを軽く洗って干したりします。10分程度でおしまい。低学年浴場は広いので、もう少しかかるかもしれない。

 

消えたゴミ当番

 全学年の週番が決まった曜日ごとにやっているゴミの分別、以前は低学年で持ち回りの「ゴミ当番」だけが毎朝外でやっていました。特に冬場の寒い日は地獄。当時の週番はゴミが溜まっていたら朝にゴミ置き場まで持っていくだけでした。この当番はもう無くなっています。自分達が分別するわけではないからなのか、昔の高学年のゴミ袋の中身は殺意が湧くレベルでめちゃくちゃでした。クソが。

 週番の仕事内容が変わって全寮生に等しくゴミ分別の機会が与えられるようになったことや、寮のゴミ収集の仕組みが変わったこと等もあり、今では寮全体の分別意識が高くなり、分別作業自体をほとんどしなくても大丈夫なレベルになっています。5年前の状況からは信じられません。ゴミの量自体も減り、処分費用も大きく下がったので、その分のお金でエアコンの使用時間を延ばしたり寮生が希望するモノを購入したりと、寮生のQOL向上につながっています。

 ちなみにテスト期間のゴミ箱は魔剤やチオビタ等の栄養ドリンクの缶やビンでいっぱいになります。寮敷地内の自販機にも魔剤がありますが、テスト期間はいつも売り切れている...。私はこの手のドリンクはほとんど飲んだことないのですが、皆さん好きですね。

 

部屋替えと大掃除

部屋替え

 半年に一度、長期休暇前に抽選を行って部屋替えをします。学年ごとにある程度住む号館は決められており、その枠組みの中での部屋替えなのですが、逆に学年が変わる春は別の館に荷物を持っての大移動となる可能性が高く、かなり疲れます。部屋替えの移動はしんどいので、プロ寮生はキャスター付きの超便利なケースを持っていたり、持ち込む荷物を必要最小限にしていました。全館の廊下が荷物と寮生でごった返し、ぎゅうぎゅうになります。

 ちなみにここ数年は、長期休暇に入る時点で全ての荷物を実家に持ち帰るように制度が変わりました。その間に燻蒸(バルサン)もできますし、盗難予防や衛生面の観点からもこのようになったようです。置きっぱなしにしておきたい物も持ち帰らなくてはいけないので結構しんどいです。このように制度が変わった発端には寮の改修工事も絡んでくるようなのですが...ここでは詳しく述べないこととします。

 

大掃除

 部屋替えに大掃除はつきものです。床は掃除機と雑巾をかけ、本棚は整理、エアコンのフィルターも掃除する等して綺麗にした後で教職員のチェックを受けます。全部屋のチェックが完了するまで新しい部屋割りの公開や鍵の受け渡しは行われません

自室の掃除が終わったら、廊下や洗面所などの共用スペースも部屋ごとに割り当てられて掃除します。これもチェックを受けます。

 この上に以前は低学年によるゴミの大分別大会(地獄絵図)が長時間行われていました。しかし上記のゴミ当番の項にもあるように寮のゴミ問題は大幅改善したため、大掃除時の分別作業の規模や手間はかなり小さくなり、だいぶスムーズに終わるようになりました。

 

寮祭・講演会・イベント

寮祭 

 夏と冬の年に2回、寮祭があります。新入寮生歓迎会と称した寮祭が春にもあるので、年に実質3回です。お菓子やジュースが配られた後、1、2年生が各館の各フロアごとに別れて順番に芸を披露します。あとは高学年寮生やダンスサークルの有志も芸を披露します。役員や宿直教員による採点があり、優秀なフロアや有志達には学内のコンビニで使える金券が、最下位フロアの寮生には後片付けの掃除が待っています。ついでにちょっとしたモノや余り物のお菓子とジュースが景品になるくじ引き抽選会があります。長いこといたので私も何度か当たったことがあります。シャンプーとか。 

 講演会

 外部の方を招く等して、特定の学年の寮生を対象に講演会がたまにあります。例えば高学年だとお酒について保健所からオバチャンが来て色々聞かせてくれます。低学年だと先輩による海外インターン経験談とか、その他様々な講習的なものがあります。

 寮祭も講演会も「行事」に該当するので、特別な理由なき不参加は「行事不参加」で故意減点です。下記のイベントは参加自由です。

 イベント

 寮を盛り上げるべく(?)ドッジボール大会や映画鑑賞会なんかのイベントが稀に催されることがあります。ここ1年くらいで始まったばかりの活動なので私は詳しく知りません。

 イベントとはちょっと関係ないかもしれませんが、申請すればちょっと広めの談話室でテレビを見ることができます。 ワールドカップの時なんかはサッカー部をはじめとする寮生が集まって一緒に観戦できたりしました。最近は集会室で観戦できたりするのかな。結構夜遅くまでいけた気がする。一大イベントですし。

 

勉強会

 主に低学年を対象に、決まった日程で勉強会が開かれます。私が低学年の頃は無かったものです。高学年のアシスタント希望者は寮に雇われ、参加した後輩の勉強の面倒を見ます。アシスタントにはちょっとしたお給金があります。行ったことはありませんでしたが、たまに声が聞こえてきたりはしました。ちょっと楽しそう。

 

自分の寮生活をざっくり振り返る 

1~2年生(低学年)

 理不尽な指導や低学年ばかりに負担を強いる制度にはしんどさを感じてはいたが、環境への適応力には自信があったのでどうにか乗り切れた。辛かったのは最初の1~2ヵ月くらいで、そこからはある程度慣れてしまった。

週末に実家に帰り、厳しさから解放されるのが楽しみだったかもしれない。ゲームも好きだったし、実家が良い息抜きになっていたと思う。日曜日の夜に寮に帰るのが最初は辛かった。

 運動部だったので平日の放課後はとにかく部活に勤しんでいた。先輩とも仲良くなれたので結構楽しかった。この頃は長期休暇中も部活がメイン。バリバリ活動する。

 1年生の自習時間は課題が終わるとちょっと暇だったので読書する余裕があった。2年生は物理のレポートがエグかったので忙しかった気がする。自分の性格的にだらだらしてしまいがちなので、自習時間がきっちり決まっていることでメリハリがついて良かった面もある。レポートの進捗でマウントを取り合ったり協力したり、アレがクソだのコレがゴミだのと愚痴ったりもよくしていた。この時点ではまだまだ手書きのレポートやドリル等の問題集を解くような課題が多い。

 自習時間が終わると30分ほどですぐに消灯なので、夜に自由にできる時間は少ない。まとまった時間で何かをしたいなら基本的に放課後~夕方まで。遅くまで部活をしているタイプの寮生にはあまり時間的余裕はない。

3~4年生(高学年)

 強制的な消灯時間や自習時間、クソ指導から事実上解放され一気に寮生活が楽になる...と同時に反動で若干堕落気味になる。3年生時は特に課題も少なくそこそこ楽だったこともあり、とにかく部活部活部活。帰ってきたら飯風呂課題を済ませて後は駄弁って遊んで寝るみたいな日がしばらく続いた。たまに遅くまで製作課題に取り組むこともあった気がする。あと寮内で学科を超えて仲のいい友人がグっと増える。

学校や寮では挨拶されることも多くなり、ちゃんと返すことを意識するようになる。挨拶が返ってこない時の気持ちはよく分かるので。何なら自分からもしていた。真面目か。

 専門科目が増えてくることもあり、寮や部活の先輩に過去問を貰ったり後輩にあげたりするようになる。

レポート類が増え、成績も重要になる4年生特に後期あたりからの部活は若干セーブ気味に。夕方は体力を温存して夜はちゃんと勉強したり、実験実習レポート作成のためノーパソを叩くようになる。んで暇になったらネットサーフィンして寝る。この頃から寮祭で拘束されるのがちょっとしんどくなる。頼む~レポートやらせてくれ^~

 長期休暇は学校のツテで、地元のFA機器メーカーでバイトをしていた。後は地元の友人と遊んだりゲームしたり出かけたり、車の免許を取ったりもした。免許の取得が自由なのは高専のいいところだなぁと思うなどした。クルーザーか何かの免許をとるやつもいた。あとフォークリフトとか。

5年生

  学年が上がるごとに同期が退寮していくため、人間関係がさらに濃くなっていく。あと1年生が可愛らしく見えるようになってくる。俺らにもあんな時代が...みたいな話をするようになる。

 寮や学校の色々な事情に詳しくなってくる。寮事務に入り浸る人もいる。就職進学活動等でちょくちょく外泊するようになるが、その辺の手続きも手慣れたもの。

 前期で単位が概ね揃ってくるので、後期はほぼ研究だけでいける的な理由で退寮する人がそこそこいる。後期は特に講義も少なめで、進路も決まっているので消化試合的な雰囲気があるのは否めない。ちゃんと卒研しろよ5年生。

 夏休みは卒業研究をメインに頑張った。春休みは親が腰を壊したので、ほぼ1ヵ月半丸々の間、ちょっとした介護生活擬きが始まるなどした。

 親に負担をかけてばかりなのも申し訳ないので、この頃から長期休暇の際の荷物の搬出や搬入をほぼ全部自分でやるようになった。(親の車を借りて自分で運転し、1人で荷物を積んで持って帰る&持ってくる)

 同期の通学生は塾でバイトする人が一番多かった。次いで飲食や量販店。メリットデメリットの項でも書いたように、平日に寮生がコンスタントにできるバイトの選択肢や時間はそう多くない。寮の行事が入ることもあるし、平日はどう足搔いても点呼までに帰らなければいけないので調整が大変。研究や講義を捨てて日中にシフトを入れればそれなりの時間働けるが、余程の理由が無い限り身や学習時間を削ってまで自身を安売りするのはあまり推奨しない。(個人の見解)

勉強会のアシスタントをして自分も一緒に勉強しながら小銭を稼いだり、長期休暇中だけ実家からバイトに応募するのが無難かもしれない。実績やコネ、知識技術がある強い人なら適当な案件を拾ってきて小遣い稼ぎがてら経験を積むもアリかなと思う。

 寮務主事や役員の雰囲気が変わり、このあたりから徐々に寮の様々な制度が良い方向に変化していった。

専攻科1~2年

 あれ、あの人まだ居るん?という目で見られているような気がする(実際自分もそう思っていた)。当時はまさか自分がこうなるとは思いもしていなかった。1年生から見ればマジでおじさんでは...。同期の寮生がほとんど居なくなるので本科の頃と比べると少し寂しい。

 一般寮生なのに年下の役員寮生に気を使われてしまい、若干申し訳ない気分になる。代わりに制度が良くなってきたことを日誌で褒めちぎっておいた。なんか感動してた。ここまでくると週番日誌はもはや役員との交換日記と化している。

 部屋が個室になり、風呂もシャワールームで済ませられて悠々自適に。寮生活に慣れすぎたことも含めて、低学年の頃とは比べ物にならないくらいストレスフリーな生活。点呼等の時間やその他の規則を守ること、当番の仕事があること自体は変わらないが、もはや息をするのと大して変わらない。

 朝に寮を出たら19時くらいまで研究室で過ごすことが多くなる。研究の調子がいい日は夜点呼の直前までとか。夜はTwitterや技術ブログやアニメを見たり、勉強やレポート、論文を書いたり、友人とコーヒータイムがてら技術やら趣味の話をしたり、やや夜更かし気味な日々。逆にさっさと寝る日もあったけど。

特に専攻科2年では研究活動が本格化し、帰る時間をあまり気にせず好きに研究や勉強をしていても負担が少ない寮という環境に感謝していた。残っててよかったと思える点No.1!

逆に行き詰ったり目標を見失うと、時間がある分だけ虚無に陥ることも。オレハイッタイナニヲシテイルンダ...

 長期休暇は企業や海外の大学に長期インターンに行ったり、研究に時間を費やした。

 携帯の毎月の通信制限を気にかける生活だけは結局ずっと続いた。寮の回線を使ってPCで閲覧できるものは、できるだけPCで見ていた。ここだけは僅かに不便を感じる。

 週末は相変わらず実家にちょくちょく帰っては、家族の買い物につき合って運転したり荷物持ちをしたり、家電を直したりその他色々と手伝いをして親孝行をしておくなど...。就職で県外に出ていくしね。

  

 

こんな感じだったと思います。

 

最後に

 7年に及ぶ長い長い寮生活を思い出し振り返りながら色々と書いてきました。正直まだまだ書けることがあるような気がするのですが、ひとまずこれで終わりにしようと思います。気が向いたり何か思い出したことがあれば更新するかも。

 思えば人生の約3分の1を高専で過ごしてきたんですね...。同期たちとはもう小学校以上の付き合いになってしまいました。地元の友人たちよりも高専でできた友人たちとの方が正直気が合いますし、話もはずみます。そんなものなんでしょうか。

休暇は除くとは言っても、卒業するまでほぼずっと寮で生活する人はかなり少ない方だと思います。この記事が誰かの役に立つことがあれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。